北千住の女性司法書士が解説!不動産相続手続き講座

【疑問】数年前に亡くなった夫の相続について相続放棄は可能なの?

2024年08月09日 14:46

こんにちは 女性のための不動産相続専門コンシェルジュ 司法書士のこばやしです


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パリオリンピック盛り上がっていますね

おかげ様で寝不足の毎日です


今回は、よくある相続放棄についての疑問についてです

【疑問】夫がなくなってから数年経っています。いまからでも、相続放棄は出来ますか? 

相続放棄の申述は、相続人が被相続人が亡くなったこと及びこれにより自分が法律相続人となったことを知った時から三か月以内に行わなければいけません。

 相続人が被相続人の権利や義務の一切を受け継がないようにする、いわゆる相続放棄をするためには、家庭裁判所に「相続放棄の申述」をする必要があります。

そして、この相続放棄の申述をするためには、民法に「自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内にしなければならない」と定められています。

よって、ご質問のとおり夫の死後数年経過している場合は、相続放棄の申述をしても受理されないことになります。


ただし、相続財産が全くないと信じ、かつそのように信じたことに相当な理由があるときは相続財産の一部または全部の存在を認識した時から三か月以内に相続放棄の申述をすれば受理される可能性もあります。


生前にほとんど交流の無かった父親の死後、三か月以上経過後に借金の存在が明らかになった場合で

借金の存在が明らかになって直ちに相続放棄の申述をし受理されたケースも存在しています。

 判例は、三か月以内に限定承認又は相続放棄をしなかったのが、被相続人に相続財産が全く存在しないと信じたためであり、かつ、被相続人の生活歴、被相続人と相続人との間の交際状態その他諸般の状況からみて当該相続人に対し相続財産の有無の調査を期待することが著しく困難な事情があつて、相続人において右のように信ずるについて相当な理由があると認められるときに限って、熟慮期間の開始を遅らせると示しています。


 相続開始後直ちに相続放棄の申述手続きを取ったほうが良いですが、上記のような事情がある場合は三か月経ってしまっていても、直ちに受理されないという訳でもありません。


いずれにしても、出来るだけ直ちに相続放棄の申述手続は行っておきましょう。